おかしくはないです

嫌いな言葉は「多幸感」

大阪エキスポシティのレーザーIMAXでダンケルク見てとしまえんと比べた結果

SNS上で話題になっている『ダンケルク』をオリジナルフィルムを見るなら世界13カ所にしかないレーザーIMAXで見ないといけない問題。ちょうどいいタイミングでWWE大阪公演があったのでついでに万博記念公園にあるという109シネマズ大阪エキスポシティに行ってみることにした。普段は20円財布から出すのすら嫌なのにプロレスにかかるコストはノーカンみたいなところあるのでこんなちょうどいいことはない。
劇場へのアクセスは新大阪駅から御堂筋線で終点の千里中央まで行って(乗り換え案内で路線検索すると江坂で別路線に乗り換えみたいなのが表示されることがあるけど千里中央までは直通です)、千里中央で一回降りてモノレールに乗り換える。モノレールの駅までは少し歩くけど距離的には2分くらいでアーケード的に屋根もあるので雨が降ってても濡れない。体感的には浜松町でJRからモノレールに乗り換えるのと同じ感じ。そこから2駅目が万博記念公園、お目当ての109シネマズもそこにある。駅からは歩いてすぐ、5分見とけば間違いない。ここはららぽーとがあって、ガンダムカフェもあって、ニュースになってたポケモン関連の施設もあって、都心からちょっと離れた商業施設がたくさんあるエリア、雰囲気的にはお台場みたいなところなんだろう。

 

スクリーンはさすがにでかい。だけどほぼ真四角正方形なので、普段から横長のスクリーンに慣れている(スケール感を横のサイズだけで判断している)ので、大きいとは意外と感じなかった。また、スクリーンの上下左右に一切の空きがなくすぐに床、壁、天井がくるのも小さく見える要因かも。ユナイテッドシネマとしまえんIMAXはスクリーンの上下左右にスペースがあるので開放感というか、実際のスクリーンより大きく見えるのかもしれない。実際にサイズの記述を調べてみるまで、横幅はとしまえんの方が大きいと思ってたくらいだし。そういう意味ではノーハッタリ、完全に映画と観客だけが存在する空間として設計されているのかなって気がしたよ。

画面はとにかくほぼ正方形。字幕は画面の下から三分の一くらいの位置にあって、最初は「ど真ん中に字幕!」ってびっくりする。席によっては下が見切れちゃうしなあって思ってたら、たまーに気づくとフルサイズじゃなくてIMAXの標準くらいの画面サイズになるのでその時にはちょうどいい位置になる。なんと『ダンケルク』も全編あのサイズじゃない。知らなかったのでびっくりした。だいたい10~20%はこの小さいサイズでいく。意外とサイズが違うのは気にならない、というかぼーっとしていると気づかないくらいなんだけど、狭くなるとそのぶん劇場が暗くなるのでやっと「あそういえば縮んでるな今」となる感じ。フルサイズじゃないのはおもに1dayの民間船舶のシーン。会話で顔のアップが切り返されているところは特にそう。追撮の部分かなとは思うしスピットファイアの部分は基本的にフルサイズなのでたぶんノーランの撮りたいところはもれなくちゃんとでかい。これってけっこう不思議な話で、たとえば「エンドロールの途中で立つな、エンドロール込みで監督のフィルムだ」みたいなことがよく言われるし、私もエンドロール中に席を立つことはないけど、じゃあ上下サイズが伸びたり縮んだりする、監督の意図的な演出ではなくあくまで技術的・予算的な問題での曖昧さは、どう解釈すればいいんだろう。IMAXレーザー以外のすべてのシーンのサイズが同じフィルムは不完全なら、私たちは常にエンドロールで席を立っているのと同じになってしまうのだろうか。パーフェクトなフィルムや映画体験てどこにあるんだろう。「本物を見るならこうしなきゃいけない、ここに行かなきゃいけない」というのはもしかしたらすごく傲慢な言い方なんじゃないだろうか。

結論としては、レーザーIMAXの映画は大阪エキスポシティで見ないとフルに楽しめないのか問題だけど、実際に見に行ってみて思ったのはまあ近くに映画館あるならとりあえず劇場行く元気を出して行けばいいのではないかって以上の感想はないかな。

 

個人的に気になっているのは最近の映画の音響で、低音で音圧高くしすぎじゃないですかね。低い音がすでに低い音じゃなくて、劇場のビリビリ振動音込みでの低音になってるんだよね。人によってはこの方向性での進化が続くと劇場に来られなくなっちゃうんじゃないかなあって気がしてる。低音出すのは機材がいるしお金がかかるしだからそっち方向にこだわりたい人がいるっていうのはわかるけど、そのぶん置いてけぼりの音域が増えがち。これをもってして「大阪エキスポシティは音響が……」とか言おうとしたけどあとから行ったとしまえんもビリビリだったので、それがIMAXの標準なんだろう。部屋の構造上、立方体寄りのエキスポシティの方が反響しやすかくビリビリを感じた気がしたのでしょう。一度、立川シネマシティの極上爆音上映も行ったんだけど、二度と行かないなあ、これを売りにされてもなあって感じでした。オーディオ界隈ってオカルトだなんだって言われがちだし実際オカルトな部分は多いけど、低音だけをやたらとありがたがるのも不合理だと私は思っているよ。臨場感ばかりが映画体験じゃないでしょう。

 

いろいろ言うけど映像の質とか音響のあれこれとかどんなにこだわったハコに行っても、隣席と前席に座ったお客さん次第で劇場での体験なんていくらでもよくなったり悪くなったりするからね。今回の上映では隣に座った男性が、液晶画面以外にランプが付いているタイプのスマホを膝に置いたまま鑑賞してて、お前死ぬまでピカピカ光らせてんのかよってくらいずっとピカピカ光らせてて、鑑賞中ずっと手のひらをその男性の側に向けて光を遮断してなければならなかったのである。正直私は上映中にスマホを見ることはたいして気にならないのだけど(今時のスマホ、暗いところだとくらーい感じで光るからでかいスクリーンの光量だとスクリーンの方がだいたい勝ってるし)、腕時計に反射したスクリーンの光がチラチラ視界をよぎったりとかそういうやつの方が「おや?」と思うんだけど、その人に文句言う筋合いはまったくないし。その人は腕時計してるだけだから。いや、でもスマホのランプをピカピカさせるのはよくないよなあ……。モヤモヤしたものが残るけど、それもまた映画館の体験だよね。