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おかしくはないです

嫌いな言葉は「多幸感」

【orange】親の生死は守備範囲外

WOWOWにて鑑賞。

歴史改変ものの少女漫画と聞いて想像してた内容とはずいぶん違ったなあ。改変ものにありがちな「予見される危機をどのようにして回避するか」は主人公の土屋太鳳さんの眼中に全然なくて、いかにして翔という同級生の気持ちを盛り上げて精神を安定させるかっていうところが大きな目的。だから近々の未来がわかっても、その事実は「ちょっと勇気を出すきっかけ」に留まる。うまくいくとわかるなら、そうしなければ後悔するとわかるなら、私だって勇気を出せる、という理屈。でも、『リレーの時に転んで翔はショックを受けてしまいます。だからリレーの選手にさせないようにしてください』という展開にはさすがにズコー感があったよ。翔をなんだと思っているんだ。

起こってしまった出来事を過去にやり直すこの場合の最善手は〝母親の死を回避すること〟なんだけど、未来の土屋太鳳はそこに力を入れないし、過去の土屋太鳳もあんまりそこのミスを後悔しない。このくらいの年齢の人々にとっては親の死は仕方がないこと、だけど同級生の死はなんとかできるかもしれない・してみせる、ということなんだろうけど、大人からするとちょっとっていうかかなり冷たい世界観だな……としょんぼりしてしまう。

せっかく10年後の、ちょっとだけ大人になった自分からのアドバイスなんだから、高校以外のもっと広い世界を前提にしたことを言ってあげてもいいと思うのだけど(病院紹介するとか)、そういう「大人になればわかるよ」的な視点こそ若者がウザがるものだっていうのも、わかる。

でも大人が高校生にこういう物語を見せるのは、ちょっと不誠実ではないかな、と大人の私は思ってしまう。