おかしくはないです

嫌いな言葉は「多幸感」

【ズートピア】善きサマリア人、親切なキツネ

まずもう冒頭のワクワク感、一匹のまっすぐなウサギが努力して努力して憧れの土地へ行ったんだよ〜努力すごい、この主人公のこと好きになったでしょ? という鮮やかさにすでに泣いていた。

 画の力で状況説明と感情の持って行き所をコントロールするディズニーの手腕はもう文字通り魔法の域に達しているし、恐るべきことにはその魔法を中盤から後半にかけてのツイストのために用いていて、戯画化された現実に観客を引きずり込むまでの手つきまで含めて本当に魔法である。お前、自分のこと弱者で努力家でまっすぐなうさぎちゃんと同一視してんの?つまりはそれってこういうことだけど?と真顔で言ってくる最新のアメリカン・ウェイ。
ここ一年くらい、いわゆる「ハリウッド的シナリオのお作法」がドラスティックに変わっていってるのを感じる。すげーぜアメリカさん。

あとは、肉食動物の定義的に、魚を食べる種族は肉食という扱いだけどそうなると草食動物との溝みたいなところが微妙に変わってきちゃうんじゃないのか?という疑問が。魚や鳥はいろいろ話がややこしくなるから出さなかったということらしいけれども。とはいえ、実態や科学的根拠よりも言葉の感じや後付けの関係性で差別の感情は再生産されることを思えば、些細なことなのかもしれないけれど。

ニックの善性に頼りきりな印象を受けてしまったのは、私の中にも肉食動物への差別意識があったからかもしれないと思ったりもする。それゆえに、ニックの結末にはちょっぴり不満というか、う〜ん。詐欺師は年金もらえないからな〜仕方ないのかな〜。