おかしくはないです

嫌いな言葉は「多幸感」

【ハンガー・ゲームFINAL:レボリューション】生きてる人から届く手紙

レボリューションという邦題もなんのその、カットニスは絶対に世界を変えようとはしない。革命なんて手段でしかないのにそれを目的と誤解しちゃったら永遠に終わらない変化が目の前に生きている人をもうどんどん殺していくんだから、というのが、妹を助けたいというたった一つの目的だけを抱えてハンガー・ゲームに飛び込んだ彼女が最後まで貫いた矜持であり、ピータとゲイルにモテちゃうヒロインの説得力であった。

そんなカットニスが選ぶ、緻密さとは程遠い作戦(とも呼べないような無茶苦茶な、あるいは自死)にエンターテイメントを求める気持ちは終始モヤモヤしつつも、メロスが政治がわからないからこそ英雄であったことを思い出す。大統領との邂逅からの流れを経て彼女がたどり着く答えは今日的な映画のカタルシスからは程遠いものの、それゆえにカットニスを見守ってきた人たち(観客含む)へのせいいっぱいの誠意を感じることができるのである。

そして最後に、フィリップ・シーモア・ホフマンから届く手紙は、『ワイルド・スピード』のあの海辺の景色のように、不在であるからこそ生きているのだと、映画を見ている私たちこそ苦しみと死の世界に縫い止められているのではないかと、私たちに教えてくれる。