おかしくはないです

嫌いな言葉は「多幸感」

【ダンケルク】時よ等しくあれ、汝が名は故郷

彼らはじっと海を見る。目に見えるほどの距離にhomeがある。でもどうしてここにいるのだろう。あそこにhomeがあるのに。ここは違う、ここは、……。 戦争は時間をバラバラにする。あの人が死んだのはいつのことだったろうか。あの海岸までの道のりは永遠のよう…

大阪エキスポシティのレーザーIMAXでダンケルク見てとしまえんと比べた結果

SNS上で話題になっている『ダンケルク』をオリジナルフィルムを見るなら世界13カ所にしかないレーザーIMAXで見ないといけない問題。ちょうどいいタイミングでWWE大阪公演があったのでついでに万博記念公園にあるという109シネマズ大阪エキスポシティに行って…

【ELLE】私は私として生きる

みんな、連続殺人事件とレイプ事件が大好きだ。多くの犯罪報道は大半が娯楽として消費される(事件に怒りを感じるのもまた消費行動の一つだ)。特に後者の場合、男女の非対称性に基づき、被害者は(たとえ男性でも)弱い方の性を持つものとして侮られ、何重…

【新感染 ファイナル・エクスプレス】肘打ちの有用性

驚いたことにめっちゃウェルメイドとも言える圧倒的な完成度になんなんだよウェルメイドなゾンビ映画ってと一日千秋の思い。わりとゾンビ映画ってジャンルものとして立ち位置がはっきりしてるから作っている人もどこかに外連味を入れないとなあみたいな思い…

【トランスフォーマー 最後の騎士王】元気いっぱい老人とニンジャ執事

ジョン・シナかよってくらいでかいマーク・ウォルバーグの腕にまずはなんかおかしみを覚える。太すぎ。そこに巻きつく中学生憧れの騎士王の証!!日本的感覚かもしれないけど、もうアンバランスすぎる。あと髪が長いのなんかやだ……。ウォルバーグのどこ行く…

【スパイダーマン ホームカミング】世界は複雑、あたらしいぼくたち

トム・ホランド、すごすぎるのではないか。 しょっぱなから、トム・ホランドの若さぢからに満ち満ちた画面はいつか挫かれるその若さのためにはちきれそうだ。そしてその瞬間は、ごくごく淡々とやってくる。大人は世界が複雑だっていうけれど、そしてそれは本…

佐賀県の教師が不足している理由のひとつはタブレット導入に伴うベテランの退職もあるんでは

佐賀県の公立学校の教師がもうものすごく不足していることは数年前、私の場合は5年ほど前から聞くようになった。 headlines.yahoo.co.jp 退職していた友人も、学校側から請われて、去年から担任を持たないパートタイム職として復帰している。 事情は色々ある…

「全日本プロレス45週年記念両国大会〜新たなる決意〜」空白、夏のプロレス地図

夏はプロレスを見たかった。今年の夏は特にそうだ。私は暫定的な地図を自分の中だけでも描きたかった。世界化していくプロレスの中でさまざまな日本の団体が個性を発揮しつつ多様な客を集めている。そういう未来への助走として今年の夏は定義できると思って…

「DDT両国ピーターパン2017」古びていく文科系男子おじさん

毎度毎度、DDTの両国大会は長丁場の割に盛り上がりに欠け、特にメインはなかなか跳ねない(セミなどで対外的には目玉となる試合をやってメインでは今後の団体の趨勢を決める試合をやるからでプロレス団体としては正しい)んだけど、今年は特に「プロレスって…

「吉田豪の"最狂"全女伝説 女子プロレスラー・インタビュー集」秋元康は松永兄弟の後継者だよねという話

吉田豪の「吉田豪の"最狂"全女伝説 女子プロレスラー・インタビュー集」が面白い。全女で活躍した女子レスラーのインタビューを中心に収めた本だが、いろんな女子レスラーについて書かれた本は多かれど、いろんな女子レスラーが実際に話をしている本は意外に…

【パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊】海を得た海賊

お話を振り返ってみても意味不明なサブタイトルだ。誰なんだ。最後の海賊って。 前作『生命の泉』が地獄すなわちヘルのような仕上がりだったので期待値はほぼゼロに近かったがブラッカイマーにはお世話になっている気がしているので見た。『生命の泉』は本当…

【怪盗グルーのミニオン大脱走】黄色が薄いと薄味に

薄い、とにかく薄い。シリーズ3作目でキャラクターが多すぎてしかもお話をメインプロットと多すぎるサブプロットにハッキリ分けてしまってお話が進まないし新しいキャラクターが激薄。そして何より致命的なのがグルーシリーズのキモっていうかすべてであるミ…

【カーズ クロスロード】年老いる車

まさかのテーマかぶり。『ローガン』とかと。アメリカどんだけ老いてるんだ。日本の方が明らかに老いているのに。もっとやばい状況の国があるんだぞ。 『カーズ』シリーズは作品と商品展開が妙な関係にある、というか、作品の内容自体(1作目は完全にノスタ…

【ハクソー・リッジ】日本人は勘定に入れません

デズモンドさんの初デートが超ッッッ嫌悪感でもう全然好きになれない。映画見てても女の方見てニヤニヤして話しかけてくる(まあこのころのニュース映画は家でテレビ見る感覚なんだろうけど)のも、いきなりキスして「いや、キスしたいのかと思って」、山登…

The Winner Takes It All〜プロレスは勝者総取りの時代へ〜

新日本プロレスG1LA大会が大人気となんと地上波のテレビで言っていた。しかもフジテレビとかそのへん。どうせ現地の特派員がプロレス好きなんだろうと思ったがそれでもすごい。もう完全にアメリカのプロレスファンにとっては新日=日本のプロレスだ。だって…

【ローマ法王になる日まで】信仰in俗世

思いもよらずかなり面白かった。 宗教がらみの事件なりなんなりが起きると、「宗教って人を幸せにするためにあるのに、変なの!」みたいなことを言う人がいて、その言葉の自分勝手さに脱力するのだけど(「結婚って幸せになるためにするのに」くらいのバカバ…

【フェンス】人のせいで苦しむ人に人のせいにするな、なんて言えるものか

『スーサイド・スクワッド』の人非人長官を演じたヴィオラ・デイヴィスが人非人デンゼル・ワシントンに戦いを挑む!アカデミー賞受賞したのにDVDスルーになってしまって不思議だなあ〜と思っていたけども内容を見てちょっと納得。事前情報をほとんど仕入れず…

【ローガン】どこにでもある祈りのことば

アメリカにおける『シェーン』の重要性は本当に何なん?というくらいあれもシェーンだしこれもシェーン!でもいいよ、だってシェーンはやっぱすごいもん……というやつ。 「彼女はいつからmute(声を出せない)なの?」「生まれた時から」というやりとりはもち…

【スウィート17モンスター】イタいを笑う大人の残酷

『美女と野獣』でした。私って本当はすごいのに正当に評価されないわ!と若さゆえの(そしてそれは本当は若さゆえのではないということに年をとって気づいて絶望するのだ)モヤモヤとうまくいかなさをもてあましている女の子がただただ周りにそのエネルギー…

【午後8時の訪問者】死んだ人が生きる場所

「死んだ人はわたしたちのなかで生きている」という言葉からは腐臭が漂っているが、そのにおいが何に由来するかと言えばもちろん死体である。どうしようもない死という現象をどうにかしてポジティブな色に糊塗したいという欲求をわたしたちは抑えきれない。…

【美女と野獣】よくわかる野獣の初恋

メインテーマで「Beuty and the Beast」〜♪と歌うところが丁寧に「美女と野獣」といちいち字幕が出ていてちょっと面白かった。まあその通りだし字幕としてはめっちゃ誠実だけれども!調べてみたら吹き替えだと「愛の扉」〜♪になるみたい。閉じられた隔絶され…

【レゴ(R)バットマン ムービー】ロブスターでは癒せない

最高すぎる映画こと「レゴ(R)ムービー」のスピンオフ的な続編という理解でいいのだろうか?煙や水飛沫までレゴで表現していた前作と比べるとレゴっぷりはやや後退しているように見える。そしてそのぶん「レゴが!動いてる!」というワクワク感も後退気味。…

女子プロレスに関する私なりの偽史<全女史観・長与史観>と差別について

女子プロレスは誰のものだろうか?もちろん、女子プロレスラーのものだ。でも、おそらく、そうでない時代があった。 ある作家が差別の話をするときに小人プロレスの話を持ち出して人権団体の圧力のせいで彼らが職を失ったという謎の主張をして「?」となった…

【はじまりへの旅】インテリヒッピーなれのはて

変な教育したがる人ってなんで変な教育したがるんだろうと思っていたけどその謎が解ける映画だ。主人公のヴィゴ・モーテンセンは隔絶された森の中で6人の子供を育てている。彼らは学校に通っていなくてヴィゴの超スパルタ教育によって肉体面も頭脳面もスー…

【おとなの事情】告発されるふたつの抑圧

なかよしな3組の夫婦と離婚ほやほやのひとりの男、7人がホームパーティ的な夕食の場で「今だけスマホをオープンにしよう。メールが来たら読み上げる。電話が来たらスピーカーフォンで話す」という地獄のようなアイディアを実行に移し案の定地獄のような状…

【キングコング 髑髏島の巨神】髑髏島の戦い

もちろんプロレス映画だ。 コングは最強にして孤高のレスラー。その怪力で木を切りまくっていたアンドレ・ザ・ジャイアントを彷彿とさせ、まだどのプロモーターにも発見されていない髑髏島の神秘。優しく正義感の強いコングは島の秩序を守る神にも似た存在と…

【ラ・ラ・ランド】夢だなんだと言うやつは

『セッション』が全然ダメだったので心の準備は欠かさなかった。とはいえパワハラがテーマだった『セッション』と比べてかなり見やすいし、楽しく見れました。デイミアン・チャゼルis同い年(……)なので、言いたいこともちょーわかる。チャゼルは上の世代に…

スターダムを見た話

プロレスを見に行く時にいつもいるのはわたしの体だ。一人で行くこともあるし、誰かと二人で行くこともあるし、たくさんの人と一緒に行くこともある。たくさんの人の顔ぶれは常にいろいろだけれども、そこに常にわたしがいることは変わらない。当たり前のこ…

【哭声】ハッピーイースターフロム國村隼

いいタイミングでの公開だなと思う。もうすぐイースターだ。復活祭。イエス・キリストが蘇った日だ。この映画もそういう話だ。えらく宗教的な映画である。類似品としては『エクソシスト』最近だと『死霊館』。悪魔がいるし神もいる。でもそれらの作品よりも…

【マグニフィセント・セブン】多様性がもたらす筋肉

筋トレしてると自分がモンゴロイドの女性だとつくづく思い知らされる瞬間がある。何度負荷をかけても細いままの腕。差別を区別とのたまう下劣な人々の顔が頭をよぎる。 で、この映画のイ・ビョンホンだ。彼が教えてくれたことは、私はあまりにも偏った筋肉の…