おかしくはないです

嫌いな言葉は「多幸感」

【オレの獲物はビン・ラディン】アメリカはグライダーでやってくる

これはすごい。『帰ってきたヒトラー』を見たときびっくりしたけど、これも同質別種のびっくりで腰抜かした。 まずニコラス・ケイジ。すぐに爆笑するニコラス・ケイジ。っていうか全てはニコラス・ケイジ。ニコラス・ケイジの映画は馬鹿にしてもいいっていう…

【否定と肯定】正しき者よ沈黙せよ

今の時代に見るべき!という評判を聞いて見に行ったところもあるけど予想よりもかなりカジュアルな内容で意表をつかれた。複雑な現実を丁寧に一枚の織物にしましたという社会派映画ではなく、今この時代に立ち現れている問題できちんと打倒すべきものを措定…

【ミスター・ロン】薄幸美女に幸多かれ

リアリティがないお話を指してまあこれはファンタジーだからって擁護する向きがあるけどそれはファンタジーに失礼だよねってよく思う。ファンタジーほどたいへんなものはない。だからこの映画をファンタジーっていうのはちょっと違うよね。 台湾の殺し屋が日…

【キングスマン ゴールデンサークル】いらない奴らは即排除

前作は「面白いけどまあ……」くらいの感じで今ひとつ乗れなかったので(お金持ち爆発とアナルセックスでクライマックスが特に)、私はこちらの方が好きです。いらないキャラクターとか時間を割きたくない人物に対しては容赦なく脚本で排除するという潔さはい…

WRESTLE KINGDOM 12 内藤哲也といくつものセレンディピティ

セレンディピティという言葉がある。 探し求めていたものとは別の思いもかけぬ幸運に出会うこと、あるいはそれを可能にする洞察力のことを指す造語であるが、内藤哲也のプロレス人生は、この五年間は、セレンディピティの連続だった。 彼がそもそも求めてい…

年始のご挨拶と2017年ベスト10映画

明けましておめでとうございます。 めでたいかどうかはちょっとかなり怪しいですし、2018年はやばそうな予感がプンプンしますが、生きていくだけでプロテストになると信じてやっていきたいです。 2017年よかった映画を思い出せるだけベスト10的にメモります…

【スターウォーズ 最後のジェダイ】まあ大体ガンダムで喩えられる

一言で言うとZガンダムだった。くさくさしたアムロにムカムカするカミーユとくさくさしたルークにムカムカするレイは完全に一致。その上、フォースの処理は完全にニュータイプのそれと同じだった。ニュータイプっていうのは戦争の道具じゃないよ〜すべての人…

WWE Mixed Match Challengeに思うミックスドマッチのススメ

WWEでとうとうミックスド・マッチの大会が開催される。 www.wwe.com ミックスド・マッチ(男女混合マッチ。だいたいは男1女1VS男1女1)が私は大好きだ。私が最も好きな試合の一つは今回のミックスドマッチにも出場するアスカ選手が主催していたカナプロ…

【オリエント急行殺人事件】バレエ竜巻旋風脚殺人事件

主演も監督もケネス・ブラナーなんだね、ということを映画を観終わって知りました。ポアロのイメージってやっぱりドラマ版のデヴィッド・スーシェかなあと思うんだけど、ポアロっていうキャラクターは多分映画化とかにはあんまり向いていないんだよね。なん…

【人生はシネマティック!】男もすなる仕事というものを

ダンケルクで起きたドラマを映画にしようぜ!とノーランに70年先駆けた戦意高揚映画が作られるまでの物語。 「映画が好まれるのは現実と違って構造があるから(作為性があるから)、無意味なシーンがないから」と作中で言及される。そして確かにこの映画の中…

スーパーマリオオデッセイはいよいよマジもんのゲーム下手にも気を遣う新世代ゲーだけど話は古代

はじめてマリオをクリアした。 Wiiの時から変だと思っていたのだ。「直感的な操作性」「お年寄りも子供も楽しめる」みたいな感じで死ぬほど流行っていたWiiだが全然簡単じゃない。ポインタはふらふらするし、挙句の果てはWiiモーションプラスとかいう精密さ…

【ゲット・アウト】その肉体、羨ましいわあ

黒人レスラーのフィジカルに憧憬を覚える瞬間は枚挙にいとまがない。骨格あるいは筋肉のつき方の差にいつもため息を漏らす。モンゴロイドだろうがコーカソイドだろうが太った人もいれば痩せている人もムキムキな人もいるのに「ネグロイドは鍛えればすぐに筋…

【エイリアン:コヴェナント】人間はアホなので次世代は奴に任せた

映画館で見たけど感想などを失念したまま『ブレードランナー2049』を見たらかなり対照的だったのでメモ代わりに。要点はもちろんアンドロイドと人類の扱いについてだ。まずコヴェナント号の乗組員は全員かなりの無能でありそんな無能は全員寝ていてもファス…

【ブレードランナー2049】SF映画は誰のためのもの

悪い意味で昔のSFのマインドがお話の端々にはみ出てて物凄い古さ。とにかく主人公のライアン・ゴズリングことKの恋愛がきつい。人工知能は人を愛することができる?みたいな疑問についてSFらしい解を出さずに普通にセックスするしょうもなさ。しかしアリス・…

【アナベル2 死霊人形の誕生】悪魔に祈りを捧げるなかれ

スピンオフのプリクエルというスターウォーズもびっくりのフランチャイズを見せる死霊館シリーズの最新作。 死霊館シリーズの特徴といえば、おそろし心霊描写のつるべ打ちと悪魔に立ち向かう人間同士の思いやりの存在感だ。「死霊館 エンフィールド事件」で…

WWE LIVE Osaka2017を見てWWEのやり方に気づく

とりあえず中邑真輔の話をするね。 去年の大阪公演で中邑真輔が見せてくれたのは、ここからまた始まるのだという自然体の決意だった。見る者もまた、そこから始められることを促されるような。いつでも人は劇的に変わりうるのだという困難さを当たり前のもの…

【猿の惑星:聖戦記 グレート・ウォー】猿の十戒、あるいは地を這う罪深き者

50年前くらいの映画みたいなお話ぶりでドキドキしたが最後まで見ると納得。なんつーか、聖書だ。スタジオ制作の聖書スペクタクルなお話だ。 シーザーは何者かなと思っていたらモーセだったし聖戦記と言いつつ出エジプト記だった。前作で原罪を猿のものとし死…

大逆転裁判2は細かいことは気にすんなのタップダンス

まさかの未完シナリオから2年ぶりの続編ということで内容もまさしく前作からの続きで、コンシューマゲームってとりあえずひとつのパッケージとして終わるよねっていう私の先入観こそが甘えだったのだろう。でもみんな、前作の最初の事件の犯人とか覚えてい…

プロレスについて(序)

プロレスについて語るべきことが多くある。プロレスを知ってから、私の見る世界の解像度は明らかに上がった。曖昧として指標のなかった世界は、プロレスを通してみるとあまりにも自明だった。その気づきを経た今となっては、プロレスへの視線は明確に理不尽…

【ジュリーと恋と靴工場】パリ、靴、恋=ル・シネマ商法(濡れ衣)

ル・シネマ枠という考え方がある。Bunkamuraル・シネマでかかるような映画好きマダムたちに向けてのパッケージで、タイトルにはふんわりとしたイメージを孕む単語の文字が躍る。「パリ」とか「花」とか。「靴」とか。あと文芸系の作品。ブロックバスターとは…

【サーミの血】ながされた血ではたりないのだと

私が私のままでいられない世界がある。そんなこと、誰しもが抱える業じゃないかと誰かが言う。ありのままの自分なんて存在しなくて社会の鋳型にゆるやかに人は取り込まれていくのだと。 エレ・マリャはその鋳型に自分を合わせることすら許されない。野蛮で臭…

【ダンケルク】時よ等しくあれ、汝が名は故郷

彼らはじっと海を見る。目に見えるほどの距離にhomeがある。でもどうしてここにいるのだろう。あそこにhomeがあるのに。ここは違う、ここは、……。 戦争は時間をバラバラにする。あの人が死んだのはいつのことだったろうか。あの海岸までの道のりは永遠のよう…

大阪エキスポシティのレーザーIMAXでダンケルク見てとしまえんと比べた結果

SNS上で話題になっている『ダンケルク』をオリジナルフィルムを見るなら世界13カ所にしかないレーザーIMAXで見ないといけない問題。ちょうどいいタイミングでWWE大阪公演があったのでついでに万博記念公園にあるという109シネマズ大阪エキスポシティに行って…

【ELLE】私は私として生きる

みんな、連続殺人事件とレイプ事件が大好きだ。多くの犯罪報道は大半が娯楽として消費される(事件に怒りを感じるのもまた消費行動の一つだ)。特に後者の場合、男女の非対称性に基づき、被害者は(たとえ男性でも)弱い方の性を持つものとして侮られ、何重…

【新感染 ファイナル・エクスプレス】肘打ちの有用性

驚いたことにめっちゃウェルメイドとも言える圧倒的な完成度になんなんだよウェルメイドなゾンビ映画ってと一日千秋の思い。わりとゾンビ映画ってジャンルものとして立ち位置がはっきりしてるから作っている人もどこかに外連味を入れないとなあみたいな思い…

【トランスフォーマー 最後の騎士王】元気いっぱい老人とニンジャ執事

ジョン・シナかよってくらいでかいマーク・ウォルバーグの腕にまずはなんかおかしみを覚える。太すぎ。そこに巻きつく中学生憧れの騎士王の証!!日本的感覚かもしれないけど、もうアンバランスすぎる。あと髪が長いのなんかやだ……。ウォルバーグのどこ行く…

【スパイダーマン ホームカミング】世界は複雑、あたらしいぼくたち

トム・ホランド、すごすぎるのではないか。 しょっぱなから、トム・ホランドの若さぢからに満ち満ちた画面はいつか挫かれるその若さのためにはちきれそうだ。そしてその瞬間は、ごくごく淡々とやってくる。大人は世界が複雑だっていうけれど、そしてそれは本…

佐賀県の教師が不足している理由のひとつはタブレット導入に伴うベテランの退職もあるんでは

佐賀県の公立学校の教師がもうものすごく不足していることは数年前、私の場合は5年ほど前から聞くようになった。 headlines.yahoo.co.jp 退職していた友人も、学校側から請われて、去年から担任を持たないパートタイム職として復帰している。 事情は色々ある…

「全日本プロレス45週年記念両国大会〜新たなる決意〜」空白、夏のプロレス地図

夏はプロレスを見たかった。今年の夏は特にそうだ。私は暫定的な地図を自分の中だけでも描きたかった。世界化していくプロレスの中でさまざまな日本の団体が個性を発揮しつつ多様な客を集めている。そういう未来への助走として今年の夏は定義できると思って…

「DDT両国ピーターパン2017」古びていく文科系男子おじさん

毎度毎度、DDTの両国大会は長丁場の割に盛り上がりに欠け、特にメインはなかなか跳ねない(セミなどで対外的には目玉となる試合をやってメインでは今後の団体の趨勢を決める試合をやるからでプロレス団体としては正しい)んだけど、今年は特に「プロレスって…